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水素でクルマが走るメリットは?

MIRAIというクルマを正しく理解するためには、燃料電池(FC)の仕組みを理解しておくことが必要だ。「電池」とあるからバッテリーだと思いがちであるけれど、燃料電池とは水素を燃料とする一種の発電装置だ。 

ただし水素を燃やすわけではなく、水素と酸素の化学反応で電気を生む仕組み。みなさんも中学生の頃に、水の電気分解の実験をしたことがあるだろう。水に電気を通すと、水素と酸素が発生したはずだ。あれの逆で、水素と酸素を化学反応させると、電気と水が発生する。
 

というわけで車載のタンクに水素を積み、外気から取り入れた酸素と反応させて発電、それをバッテリーに蓄える。そこから先は電気自動車(EV)と同じで、燃料電池車(FCV)は電気でモーターを駆動して走る。 

走行中に排出するのは水素と酸素が反応してできたH2O(水)だけで、地球温暖化の原因だとされるCO2も、健康被害をもたらすとされるPM(粒子状物質)も出さない。いわゆるZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)である。

水素 車


2014年に世界初の量産FCV (燃料電池自動車)として登場したMIRAI。
そして3年前に、世界初の量産FCVとしてデビューしたのがトヨタMIRAIだ。ドイツ連邦議会が2030年までに、英仏政府が2040年までに、それぞれ内燃機関(エンジン)車の販売を禁止すると発表したいま、MIRAIには大きな注目が集まっている。 

ただし、MIRAIの登場でクルマに起因する環境問題がすべて解決するというのは早とちりで、たとえば水素をどうやって作るかという問題がある。
 
 

車 水素

ボディサイズは全長×全幅×全高:4890mm×1815mm×1535mm。
現状では天然ガスから改質する方法が主流であるけれど、この場合、水素を作る段階でCO2が出る。もっとも、クルマがいろいろなところでCO2を排出するケースと違って、1カ所で発生したCO2はまとめて回収して処理する方法も検討されているという。 

とはいえ、理想は太陽光などの自然エネルギーを用いて水素を作ることで、各国で研究が進められている。もしこれが実現すれば水素は宇宙で最も多く存在する元素のため、無尽蔵に生産可能で、しかもクリーンに作ることが可能になる。エネルギー・環境問題が解決に向けて大きく前進するのだ。

車 水素

現在、東京都内の水素ステーションは15カ所。順次、数は増えていくという。

なお、1回の充填にかかる時間は約3分だった(撮影協力:イワタニ水素ステーション芝公園)。
ちなみに電気は1カ所に蓄えることが難しく、そのために遠くの発電所で発電した電力を長〜い高圧電線で都市部に引っ張ってくる必要がある。一方、水素はタンクに貯蔵することができる。各地に水素ステーションを置いて、そこに設置型の燃料電池を置いて発電するようになれば、つまりエネルギーの地産地消が実現すれば、今年の北海道の地震で引き起こされた、発電所の一極集中によるブラックアウトは防げるのだ。

車 水素
MIRAIが発電した電力は、給電器(別売)に給電出来るほか、ノートパソコンなどの電気製品に直接給電も出来る。
というように、MIRAIについて考えると、地球規模のエネルギー問題にまで話が大きくなってしまう。もう少し身近に感じてもらうために、気鋭のイラストレーターふたりに、MIRAIを体験してもらった。

気鋭のイラストレーターがMIRAIでドライブ

車 水素

(写真右)辛酸なめ子 漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。女子学院中学・高校を経て武蔵野美術大学短期大学部卒業。漫画家・コラムニストとして新聞、テレビ、ラジオなど幅広いメディアで活躍中。著書に『ヨコモレ通信』(文春文庫PLUS)などがある。
(写真左)田村大 イラストコミュニケーター。1983年東京都生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。2016年のカリカチュア世界大会にて総合優勝を果たす。近年はNBA選手のイラストでも注目を集める。
田村: 外観を見て気づいたんですけど、マフラーがないんですね。

辛酸: あ、ホントだ。普通のクルマと違いますね。

田村: シンプルなシェイプで、僕は素直に描いてみたいと思いました。

辛酸: 私は内装が気になりました。セレブが通う高級歯医者みたいで、シートがツルツルしています。

車 水素



クオリティの高いレザーを使ったシートは、前席にくわえ後席にもシートヒーターを装備。また、大型のセンターアームレストはプッシュ式カップホルダー(2個)と収納ボックスを備え、使い勝手を高める。
田村: 走り出して、音と振動がないのは新鮮ですね。

辛酸: 乗り心地もふわーっと浮く感じで未来っぽいですね。

田村: これならクルマ酔いしませんね。

辛酸: ね? このクルマのタクシーがあったらいいと思いませんか?

田村: 確かに。疲れている時とか癒されそうです。

辛酸: 夜景に集中したい時とか睡眠をとりたい時とか、MIRAIのタクシーだと嬉しいです。ニッポン放送でもいいんですけど、エンヤの音楽とか流してくれるといいですね。

田村: それにしても静かです。

辛酸: このクルマだと、夜中に送ってもらっても近所迷惑にならないですね。あと、迎えに来てもらう時もエンジン音で「あっ、来た!」というのがわからないから、予測できない面白さもあります。

車 水素

ほとんどの操作をタッチパネルでおこなうMIRAIのインテリア。


車 水素

ラゲッジルームは9.5インチのゴルフバッグを3個積載可能。実用性にも優れる。


今回のドライブ先 丸の内
高さ350m、地上70階の木造ビル建設構想が発表された丸の内。現在、約3,600m²のまとまった緑「大手町の森」が存在するが、未来はより一層緑地化が進むかもしれない。

車 水素

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僕たちがまだ子供だった頃、新宿や丸の内に対して思い描く未来は高層マンションが建ち並び、電光掲示板がそこら中にあり、ロボットが行き交う無機質で超洗練された都市でした。
大人になり、確かにそのとき夢見た未来が現実となりつつありますが、ふと立ち止まって見渡してみると、温もりや優しさから遠ざかってしまっているように思いました。“地球にとってあるべき姿”、そんなことをテーマにもう一度未来を思い、描いた結果が“自然との融合”でした。


車 水素

未来の日本橋は高速道路の橋桁が撤去され、 薄暗かった川辺の環境が明るくなっていることが予想されます。排ガスを出さないMIRAIが増えれば、水質も良くなり自然環境が豊かになっていることでしょう。
日光に照らされた川辺のデッキで意識の高い女性たちがヨガをやっているビジョンが見えました。再開発が進む日本橋は、近未来には表参道や代官山と並ぶおしゃれスポットとなっている予感です。

MIRAIにふれたふたりの印象をまとめると、「普通の乗用車と同じように、気楽に使える」ということと、「音がしないことやデザインなど、未来っぽさを感じた」ということだった。つまり、「普通」と「未来」が1台のなかで同居している。 

何もガマンせずに新しいモノにふれる喜びが味わえるわけだから、価格とか水素スタンドの数といったあたりにブレークスルーがあれば、MIRAIは一気に普及するはずだ。ちなみに現在の生産キャパシティはたったの年産3000台。ただし、量産効果が出るぐらいまで生産台数が今後増えれば、価格の問題はクリアされてゆくだろう。もっとも、今、MIRAIを購入しても国から202万円、自治体からも補助金(東京都の場合101万円)が出るし、エコカー減税も適用されるので、ハードルはグンっと下がる。
FCVを語るにあたって、「FCV対EV、どっちが勝つか」的な取り上げ方も多い。けれども、正解は二者択一ではなく、どちらも、というこになるだろう。街中をちょこまか走り回るシティコミューターなら、シンプルなEVのほうが適している。一方で、月に何度かは東京–名古屋を往復するファーストカーとして使うならFCVのほうが向いている。 

クルマについての知識を得て、自分の生活と照らし合わせて愛車を選ぶのは、いまも昔も変わらない。そしてディーゼル、ガソリン、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、EV、FCVと選択肢が増えるこれからは、いままでよりもっと深く考えたほうが、正しい選択ができるはずだ。 

最後に、辛酸なめ子さんが独自の視点で、MIRAIに試乗した感想をイラストでまとめた。彼女が記すように水素はクルマのみならず無限の可能性を秘めているのかもしれない。

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